エナメル質について
【エナメル質ってどんなもの?】
歯冠を覆っていて、人体で一番固いものです。成分がほとんど(96%以上)無機質から構成されていて、成熟したエナメル質では無細胞性です。なので、知覚もないし、損傷しても交替,再生はしません。
【エナメル質の成分】
前述にもありますように、エナメル質は、約96%が無機質からなり、残り4%が有機物、水から出来ています(骨は67%が無機質、残り33%が有機質)。無機質の主体は、リン酸カルシウム(hydroxyapatite)で、骨,石灰化軟骨,象牙質,セメント質にもみられます。
有機気質 |
基質酵素 |
無機質 |
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支持タンパク質 |
その他の基質タンパク質 |
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・Amelogenin |
・Ameloblastin (=amelin,sheathelin) ・Enamelin ・硫酸化蛋白質 ・Tuftelin |
・MMP-20 (=エナメリシン) ・エナメル基質セリンプロテアーゼ |
・90%以上がハイドロキシアパタイト *リボン状結晶に伸張する!! |
【エナメル質の構造】
エナメル質の構造を非脱灰TEMで見てみると、六角形で表されるような「エナメル小柱」という結晶構造がみられます(間には、小柱間エナメル質があります)。この結晶が形成される過程で、ストロンチウム,マグネシウム,亜鉛,フッ素などが組み込まれるそうです。余談ですが、モルモットを除く齧歯類の切歯が黄色いのは、エナメル質形成中に、鉄が多く組み込まれるからです。